vol.5 『私と、インプロと』
Improvisation(=即興)。略してインプロ。
メンバー間での瞬時の意思交換、コミュニケーション、そして体・頭をフルで使い、ともにゼロベースから話を創り上げる
というこのパフォーマンスは、どこかスポーツに似た性質を感じさせます。しかし、唯一決定的に違うのは、
”競争”ではなく、”共創”であること。
このワードは、ゼロから話を創作するインプロにとっては、当たり前で、それでいて大切な概念だなと思います。
っと、そんな活動を初めて5ヶ月が経ち、今までのまとめ、というか曖昧になっていた部分、わかったふりをしていたことをきちんと掘り下げて、言語化してはっきりさせたほうがいいなと感じ、1ヶ月ぶり?wくらいにブログ更新しました。
4回くらいに分けて行おうと思っていて、今回は『受け入れること』について書きます。(ここからは、かなり個人的な意見が含まれます。)
インプロの考え方として、”共創”と同じくらい重要だと思うのが、
『受け入れる』という姿勢。
否定するという概念が存在しないインプロの世界で、相手の言ったこと・アクション・全てを全面的に肯定する、このインプロを象徴する言葉は、最近ニュースや身の回りなどでちょこちょこ聞くようになったような気がします。
しかし、なんとなく意味がわかりそうで、『説明してみて』と言われたら『えっと...。』と言葉に詰まってしまいそうな、そんな抽象的な概念であるようにも思います。
よく、『多様性』という言葉と一緒に用いられますが、今回はインプロ的な視点から考えてみたいなと思います。
インプロで話を創る場合、2人以上で創るのがほとんどです。
その人のキャラクターや、状況の設定、話の内容は、お互いのコミュニケーションや掛け合いの中で生まれてくるもので、相互に影響を受けあって創り上げられます。
なので、ただ相手の行動や言動に対して『うんうん』と頷いて、自分の役にだけ徹していればいいという訳ではなく、
お互いがどういうキャラを演じようとしているのか、また、どういう意図があってその行動をとっているのか、ということを、相手と同じ目線に立ち、考え・その時の感情・状態・状況をイメージし、共有できている状態。
これが私の考える『受け入れる』という言葉の形です。
そして、自他の状態・状況、そして自分たちを取り巻く環境を理解した先に、やっと話として成立し、はじめて「即興」の文字の後に「劇」の名を冠することができるのだと思います。
また、このイメージから『多様性を受け入れる』という言葉の意味を考えてみると、
『相手と同じ目線に立ち、その人の価値観、考え方、置かれている状況、心や体の状態をイメージし、共有できている状態』
う〜ん...。結構むずかしい。